全国各クラブの活動報告

長野産業人クラブ、ゼロから学んだ経営術 小松ばね会長が講演

長野産業人クラブ(太田哲郎会長=オリオン機械社長)は7月3日、長野市のホテルメトロポリタン長野で「2018年度定時総会・講演会」を開いた。総会では17年度の事業報告や収支決算を報告したほか、18年度の事業計画・予算案、会則の一部変更について審議し、いずれも原案通りに承認された。

講演会では小松ばね工業(東京都大田区)の小松節子会長(写真)が「ゼロから学んだ経営術―経営知識ゼロだからこそわかった中小企業経営の勘所」と題し、自身の経験を語った。

1980年、事業承継をためらっていた創業者が急逝した後、同社は混乱に陥った。経営どころか就業の経験さえなかった小松節子氏が社長に就いてからも、お家騒動、人事騒動などが発生。「株式をめぐる役員らの欲望が重なり、それぞれの心に乱れをもたらした」と振り返った。

小松氏は一から経営者としての道を学び、試練を乗り越え、社員との信頼を築いて建て直した。そして自身の経験を繰り返さないようにと11年、長女に社長を譲った。「人の命には限りがあるが、企業は何百年も歴史を刻める。経営者として今こそ事業承継税制を学び、安心して事業を継続できるように行動する時だ」と訴えた。

続いて東京中小企業投資育成ビジネスサポート部の中野威人氏が「中小企業における事業承継のポイント」をテーマに事業承継のポイントを解説。「後継者の選定、財産の承継などには相当な時間がかかる。可能な限り、早期の計画的な取り組みが重要」と語った。


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