全国各クラブの活動報告

東京産学交流会、西尾硝子鏡社長が講演-技術力とブランド力で100年企業へ

東京産業人クラブ・東京産学交流会(渡辺佳英会長=大崎電気工業会長)は4月17日、蒲田月村ビル(東京都大田区)で4月定例会「革新に挑戦する中小企業経営」セミナーを開いた。2013年10月に東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」優秀賞を受賞した西尾硝子鏡工業所(大田区)の西尾智之社長、13年度「大田区優工場」総合部門賞に認定された睦化工(同)の古川亮一社長を講師に招いた。経営者や技術者ら16人が参加した。
西尾社長は「技術力とブランド力で100年企業へ」をテーマに講演した。45度の角度で切ったガラス同士を気泡なしで接着する技術などを紹介し、「これらの技術でいくつかの有名ブランドからガラスのショーケースを受注できた」と明かした。一方、経営については「08年秋のリーマン・ショックで人生観が180度変わった。会社をどんどん拡大するのではなく、長く続けることが重要だとわかった」と振り返った。
さらに次代を担う人材を育成するために月1回開いている「西尾塾」を紹介し、「ここで企業理念や市場について勉強している。人を育てて100年企業を目指したい」と意欲をみせた。質疑応答では参加者から「後継者の育成手法を教えてほしい」といった質問があり、丁寧に答えていた。
一方、古川社長は「樹脂成形の量産請負から3Dプリンターを使った研究開発企業へ」をテーマに講演した。射出成形による樹脂キャップ生産などを手がけており、3Dプリンターを活用して試作から量産までのワンストップ受注サービスも提供している。「5000万円ぐらいかかると思っていた3Dプリンターが医療関連の展示会で数百万円で売っていたため、つい衝動買いしてしまった」と購入のいきさつを紹介し、笑いを誘った。3Dプリンターで試作したステッキや箸も展示。参加者は手に取って感心していた。


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