全国各クラブの活動報告

未来をひらく中部のモノづくり 産総研の村川氏講演

名古屋産業人クラブ(森誠会長=富士精工会長)は8月28日、村川正宏産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究戦略部統括企画主幹(写真)と小林定之東レ化成品研究所研究主幹を招き、キャッスルプラザ(名古屋市中村区)で「未来をひらく中部のモノづくり~AIと新素材が産業界をどう変えるか~」と題したクラブ設立60周年記念特別シンポジウムを開いた。モノづくり日本会議と共催で約200人が聴講した。

村川氏は「人工知能技術による異常検知システムとその産業応用」と題して講演した。モノづくりの現場ではセンサーデータから異常を検出するニーズが高いことから、産総研では現場で計測された正常データを機械学習することで、その学習した正常パターンからの逸脱として異常を検知するシステムを開発している。

人工知能(AI)の異常検知について「AIに正常パターンを学習させ、パターンから外れたものを検知させれば、想定外異常でも警告はするはずだ」と強調した。

続いて、東レの小林氏は「しなやかタフポリマー材料の創出」をテーマに講演。東レではナノオーダーで3次元連続構造形成を実現し、飛躍的な高性能化を可能にする「ナノアロイ」技術の開発などを深化・発展させている。ポリマーアロイをナノメートル(ナノは10億分の1)単位に小径化した効果を「表面積増大で界面の影響が大きくなり、対薬品性などの特性が高まる」と説明した。


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